EOS−5D導入経緯
一年半ほどニコンD70を使い(10.5mmフィッシュアイ、60mmマクロ)、
8ヶ月ほど前からマクロ専用にキャノン・キスデジタルN(100mmマクロ)を導入し、併用してきた。

そんな中で、D70と10.5mmフィッシュアイは二つの理由から大変気に入っていた。
一つは画質(解像感)、特に海中での海の蒼さの表現力であり、二つにはワイドマクロとしての最短撮影距離と最大撮影倍率の高さである。
ここで、今敢えて5D導入を決断したその訳は・・・
(1)D70では太陽撮影時に顕著な白飛び、更には高輝度部から暗部に至るトーンジャンプが激しく、
   撮影条件をいろいろ変えても対応できない。
  (太陽を入れなきゃいいのだが、そうもいかず、どうにも我慢できない・・・ところに来ていた。)
   一方、キャノンはセンサーにCMOSを採用していることもあってか、この部分に一日の長があり、
   海中での撮影事例も出始めた。フルサイズ5Dでは理論的にもより良くなる筈である。
左記については
「アンクルM的カメラ選び」
を参照されたい。
(2)高価だった5Dが値を下げ、特に年末の売り出しで30万を切るところまで来た。
(3)ハウジングは、アンティスがキャノンに対応するとの話があり情報収集の結果、
   その発売を待って購入する計画だったが、案の定の開発遅延、さらにはストロボやポートなどのシステム整備にも
   時間がかかりそうな気配となってきた。(発売時期がなかなか明示されず、そうそう待てない気分)
(4)ノーチラスから安価なアクリルモデルが発売され、テールの千々松氏とも何度か情報交換の機会があった。
(5)デジタル一眼の世界も技術革新とモデルチェンジのサイクルが早まっており、
   
待ってばかりでは機会損失が大きい。自分自身、この先の使用年月がそれほど長いとも思えない。
(6)キャノンのi−TTLに対応するには6pコネクタが必須でS&S以外は即応できない状況下、
   ノーチラスがいち早く開発・採用を決定した。
   いずれにせよ純正ストロボ用ハウジングも必要でノーチラスなら、全て揃うメリットがあった。

で、要は「出来る時にやろうじゃないか!」である。
これについては
TTLに拘る必要性を疑問視
する向きもあり議論が分かれる。

以降は昨年末(05/12末)に一式を揃え、
今年初潜りとなったパラオでの実写を踏まえて、ここまでの状況報告である。

目次
(1)システム内容:下記
(2)純正ストロボ「430EX」について:下記
(3)実写結果:「パラオ0601」「パングラオ0601」参照
(4)ドームポートの曇り:下記
(5)ワイドマクロ撮影(カメラとレンズの違い)検証

(1)システム内容
カメラ CANON EOS5D、レンズ:15mmフィッシュアイ カスタム内容
ハウジング 1)ハウジング本体 ノーチラス5D/6P電気コネクタ×1装備 1)ハウジング内面塗装
2)ダイヤル操作性改善
 
(ピンを4本打って
  指を掛けやすくした。)

3)イノンステー対応穴
4)Nexusポートフランジ
 
(標準はイノン・フランジ)
2)ストロボ キャノン純正「430EX」(ノーチラス・ハウジング)
+イノンD2000(光接続)
3)ドームポート アテナ工央製170F(10.5mm用を流用)
4)ハンドストラップ 自作
5)アーム フィッシュアイ・フロートアーム(D70で使っていたもの)
6)ハウジング固定ステー イノン(クールピクス時代に使っていたもの)
(2)純正ストロボ「430EX」について(右上写真参照)
   TTLに拘らず、マニュアル調光で充分、いや自由度の観点からも、ましてやワイドにおいてはなおさら・・・との見解があるのは承知である。
   一方、ニコンで純正ストロボを使ってきた経験と、マクロで体感したキャノンの測距システムの優秀さから、今回も拘ってみた。
  (更に言えば、飽きたら戻せばいいのである・・・)感覚的には私のワイドはワイドマクロ。すなわち寄って最短の主被写体を照射する。
   それ以外は、極論すれば絞りとシャッター速度まかせ(自然光)なのである。従って、近場はTTLでカバーしたい。
   さらにである・・・
   430EXには「ハイスピードシンクロモード」なる機能があって、1/200までしかシンクロしない基本性能を大幅に拡張できる!!!
   や、や・・・それは面白そうではないか!ということで早速試してみた!
   あれれ!?
   照射光が弱い、それにD2000が全く追従しない!のである。(Z220もD180もである。トリガー信号にもならない!)
   
ハイスピードシンクロ時の光がどのような信号なのかは判らない。
   何故イノンのストロボが一見光っているようなのにまともな照射光にならないのかも判らない。
   この場は、そういうことを承知の上で使えたら使おうということにしておきます。(単独ならそれなりの機能はする訳なので・・・)

   上記最後の三行はハイスピードシンクロの何たるかを調べもせずに書いたもので、お恥ずかしい次第。
   で、ちょっと調べてみました。(06.03.01記載)

   
ハイスピードシンクロとは・・・
   通常のストロボ撮影では、シャッターが全開になった状態で瞬間的な閃光を被写体に当てて撮影する。
   そのため、フォーカルプレーン式シャッターでは同調できるシャッター速度が制約され、1/125〜1/250が相場。
  (D70などレンズシャッターを採用しているカメラは1/500までカバーできている。)
   これ以上のシンクロ速度を得る機構が「ハイスピードシンクロ」で、高速シャッター時にシャッターがスリット状に走っている間じゅう
   連続的な発光を行う(FP発光)。必然的に弱い光での連続発光となるのでガイドナンバーはシャッター速度と共に急速に減少する。
   さらに、当然のことながら発光モードが全く異なるのでイノンのストロボが追従・反応しなかったことも頷ける。
   
ちなみに430EXで広角モード(24mm)でss=1/500の場合のガイドナンバーは8程度になるので絞り値8で到達距離1m、
   海中ではその半分として50cm程度になると予測される。(太陽入り超接近ワイドマクロに有効?)
(4)ドームポートの曇り  5D(ノーチラスハウジング)ドームポート内面曇り現象発生経緯      2006.1@パラオ
 1)ホテル到着後、室内でセッティング。(冷房:21度に設定されていた)(ハウジングは初使用、ポートは別ハウジングで何度も使用済み)
 2)初日:3ダイブ(無造作に船上の日向に置いていた。):問題なし。
 3)初日終了後、ホテルでハウジングを開けたところ、強いシンナー臭がした。
  (内部が暖められたことにより、乾燥不十分の内部塗装(水性塗料)から蒸発したものと推定。)
 4)二日目の朝、セッティング。
  (室内が寒かった為ドライモードにしたが、実はエアコンが効いていなかった可能性がある。→初日に比べ、湿度も高まったことは想定可能。)
 5)二日目のエントリーまで約2時間、かなり日照りに晒された可能性あり。
 6)エントリー後、水深約5mでポート内面が真っ白になっていることに気付き、急遽ボートに戻し、別セットでダイビング。
 7)ダイビング終了してボートに戻ってもまだ曇っていた。(急激な温度差?から元に戻ったのに曇ったまま・・・・)
 8)昼休みに船上(日陰)でハウジングを開け、ポート内面も軽く拭取り。再セッティングし、簡単な水没テストも実施(1m以下の浅場)。
 (湿度は高いと思われるが、ハウジング内外の温度差はなくなった筈。)
 9)約1時間後にエントリーしたところ、すぐに「ポート曇り」に気付く。(船上放置後の結露解除は前日よりも早かった。)
10)結局、一日ワイドは使用せず、ホテルでチェック。シンナー臭は発生していなかった。
11)考えられる限りの入念なチェックと整備:ポート内面の入念な拭取り(メガネ拭き)、ポートグリース、締付け遊び。
   室内は再度冷房運転とし、湿度を下げた状態でセッティング。
12)三日目、ボート上からロープで約4m吊るして水没チェックで OK確認。
13)ハウジング内温度がなるべく上がらないよう、日向を避ける。
14)結果、問題なく終了。

推定原因
(1)内部塗装から発生した揮発成分(シンナー)がポート内面に付着して、何らかの影響を及ぼしたと思われるが、そのふるまいは未だに不明。
(2)水性塗料だったこともあり、内部温度上昇による塗装からの水分蒸発も含めて水蒸気量が増加したことは事実だろう。
(3)ハウジング内温度もかなり上昇していたと考えられ、エントリー時の温度差で飽和水蒸気量曲線からはみ出し、露点を越えたと思われる。
(4)揮発成分のポート内付着物(油膜状?)を核に結露が促進されたのではないか? と いうことでないと説明がつかない・・・。